犬伝染性肝炎

イヌアデノウイルス1型が原因で、感染犬の尿・唾液などの分泌物が、ほかの犬の口の中に入ることによって感染します。
ジステンパーウイルスのように空気感染はしません。
症状が急激に進んで突然死するものから、症状が現われない不顕性感染まで、病気の形はさまざまです。
子犬における急激な症状を除けば、この病気だけの単独の死亡率は10%程度と決して高くはありませんが、他のウイルスとの混合感染を起こすこともあり、その場合、死亡率はかなり高くなります。ワクチン未接種の子犬において警戒が必要な重要な病気です。

【症状】
高熱と虚脱状態から1日以内に急死する「突発性致死型」。肝炎の重症化に伴い、発熱や食欲不振、嘔吐、肝臓の腫大、黄疸などの症状を呈して死に至る「重症致死型」
発熱、角膜炎、鼻水などの軽い症状が2~10日間続いたのちに治癒する「軽症型」。症状がみられない「不顕性感染型」があります。
この病気の回復期に見られる特徴的な眼の症状である「ブルーアイ」は、角膜の浮腫により眼が青白く濁って見える現象ですが、通常は治療をしなくとも自然に治癒します。

【治療】
ウイルスそのものに対する有効な治療法はないため、肝臓が受けたダメージが回復するまで、積極的な支持療法を行わなくてはなりません。
静脈点滴をはじめに、状態によっては肝機能低下に起因する血液凝固不全に対して、輸血を考慮する必要もあります。

【予防】
ワクチンにおける予防が有効であることから、母犬の移行抗体が消失する時期に、適切なプログラムに沿ったワクチン接種が必要です。
ワクチンの接種前には、ほかの犬との接触ができるだけないように十分注意が必要です。