コロナって他にあるの??その2

コロナって他にあるの??その2

動物のコロナウイルスは人よりたくさんいます
どんなコロナ???
怖いの??
今回は犬のコロナについてです。
今回は解説のみです。

というのは、実は皆さんが毎年接種しているワクチンに「犬コロナウイルス」が入っているのです。

解説

(まずワクチン)
病原体あるいはその一部を体の中に入れること(接種)により、その病原体に対し、感染したという「免疫記憶」を作ることができます。
しかし、感染とは何でしょうか?厳密にいうと難しいです。
簡単にいうと、細菌やウイルスが体に入り込み、体に悪い事、例えば下痢とか食欲不振とかが起こることです。
ヨーグルトではそうはらないので、理解はできると思います。
(しかし、抗がん剤治療の人の患者さんではヨーグルト等の乳酸菌で感染が起こることもあるのです。)
つまり、感染が起こるには感染の3要素(感染源・感染経路・感受性宿主)を満たすことが必要です。
今の新型コロナウイルス感染では、他に手段がないので、感染経路をコントロールするしかありません。
今後は感受性宿主を非感受性宿主に変えるため、ワクチン開発が活発になると考えられます。
「免疫記憶」を作るとは色々ある免疫の中で、「獲得免疫」を作るということです。
哺乳類は感染が成立すると多くは抗体によって病原体を無力化しようとします。
抗体には大きく分けると2種類あって1つ目は感染後1-2週間ですぐできるもの、2つ目はその後徐々にできて長い事力を発揮するものです。
さて、犬のコロナウイルスワクチンですが実は犬のコアワクチン(3種)には入っていません。
コアワクチンというものはワンちゃんにとって命を脅かす危険な病原体に対するワクチンなのです。
それは狂犬病ワクチン同様です(狂犬病は人にとっても非常に危険な病原体なので別格扱いです。)。
犬のコロナウイルスは罹患率としては高いのですが、死亡率が低く、比較的予後も良好です。
子犬ほど症状が重くなるのはどの病気でも同じです。
さらに新型コロナウイルスでお言われているように不顕性感染(感染しても症状を出さない)に終わることもあります。

成犬は、不顕性感染が多く、症状が出ても軽い症状で済んでしまうことが多いです。
感染した犬の便や吐物にはウィルスが存在しているため、これらに接触したり汚染された食器などから感染します。
子犬では症状がでることが多く、合嘔吐や下痢などの消化器症状を引き起こします。
下痢で脱水症状を起こし、パルボウイルスとの混合感染で重症になることがあるので注意が必要です。
子犬にはワクチンは必須です。

次回は猫のコロナウイルスです。