皮膚糸状菌パネル

皮膚糸状菌パネル

目的

真菌培養検査では結果の判定に日数が掛かり頻回の観察が必要になるところ、PCR検査では1回の検査で迅速な診断が可能。
また培養検査の他、顕微鏡下での毛検査、ウッド灯検査等では検出されない、あるいは偽陽性と評価される場合でも、PCR検査では高精度な結果が得られる。

対象

全ての皮膚の脱毛・紅斑・膿胞・フケの症状がある犬猫。
感染していても病変がない場合もあることから、多頭飼いの犬、猫の健康診断にも有効。

検体の採取方法

活動性病変の境界部分から採取した毛包付被毛及び/または皮膚。滅菌スワブを用いて、活動性病変の境界部分、病変部、その周辺領域を拭う。爪床を含む爪や膿性吸引物でも可能。
採取した検体(被毛やスワブ)は、滅菌スピッツ管などに入れて送付。複数種類の検体の提出も可能。病変がない場合は、滅菌歯ブラシで全身ブラッシングして採取した被毛でも可能。

皮膚糸状菌パネル検出項目と病態

皮膚糸状菌症とは、犬猫ともに他の動物から真菌の感染により発症する疾患であり、頭部や耳、足先の皮膚に脱毛や皮膚炎、痒みを引き起こす。

Microsporum canis (ミクロスポーラム・カニス) 

 犬への感染の約70%、猫への感染の約99%がM.canisであるといわれる。

Microsporum spp.(ミクロスポーラム属)とTricophyton spp.(トリコフィトン属)

 M.canisの他によく感染がみられる原因菌。