目的
血液塗抹では見逃しやすい赤血球に寄生するヘモプラズマは、感度・特異度の高いPCR検査が最適なため、貧血の診断又は感染症の除外に有効である。種を同定することで病原性の評価にも有効。
対象
貧血の猫。
検体の採取方法
EDTA全血1ml。パラフィルムなどを巻いて、冷蔵で提出する。
猫ヘモプラズマパネル検出項目と病態
赤血球に寄生するマイコプラズマという細菌性の病原体が原因菌。
貧血を示す病原性の猫ヘモプラズマを以下の3種類まで診断可能。
マイコプラズマ・ヘモフェリス
最も病原性が強く、免疫状態が正常な猫でも貧血を起こす。
マイコプラズマ・ツリセンシス
病原性は中程度。単独感染よりも他のヘモプラズマとの共感染で症状が重くなる場合もある。(猫感染症研究会(猫ヘモプラズマ・麻布大・久末先生)のコラムより)未解明な部分も多い。
マイコプラズマ・ヘモマイニュータム
病原性は低く、免疫状態が正常な猫では貧血を起こすことはないと考えられているため、猫白血病・免疫不全ウイルス等の感染症、腎疾患・腫瘍等の併発疾患、凝固不全等の他の貧血の原因を検討する。