尿路結石症について
腎臓、尿管、膀胱、尿道を「尿路」と呼びます。
尿路結石症とは、この尿路のどこかに結石ができる病気です。
結石は、食餌や水に含まれている、マグネシウムやカルシウム、尿酸などのミネラル分と、尿の中のたんぱく質などが結合してできるものです。
結石の大きさはさまざまで、犬の大きさにもよりますが、砂粒から鶏卵大まであり、犬の結石はその9割が膀胱と尿道で確認されます。
原因
結石の形成には尿の性状が大きく関与し、遺伝的な代謝に関連する問題が一因としてあります。
そこへ結石の原因となるミネラルを多く含んだ食餌の摂取、尿路の感染、飲水量の不足などの要因が加わることで、より結石が形成されやすい状況が生じます。
症状
尿道と膀胱に結石すると、1回に出る尿の量が減り、尿の回数が増え、尿の出方が悪くなります。
尿が出ないのに、何度も排尿姿勢をとることもあります。
完全な尿路閉塞を起こし、尿がまったく出ないという状態が続くと、膀胱に尿がたまりすぎて膀胱が破裂したり、老廃物の毒素がたまって、尿毒症になったりする大変危険な状態に陥ります。
治療
尿路にできた結石を手術で取り除く方法が、根治療法となります。
尿道結石の場合は、細い管で膀胱のほうに結石を押し出してから、膀胱を開いて取り出します。
結石の種類によっては、小型のものであれば、手術をせずに食餌療法で溶解できる場合もあります。