白内障について
白内障は、レンズの役割をする水晶体が白く濁る病気です。水晶体はレンズの役割を果たしているため、白内障になると視力が低下します。
原因
水晶体の99%は、たんぱく質と水で構成され、健康時には透明です。その水晶体のたんぱく質が何らかの原因で変質したり、水晶体自体の代謝に異常が起きると、水晶体が白くなり視力が低下していきます。
白内障の大半は後天的な老化によるもので、6~7歳以上の高齢犬に起こりやすい病気といえます。
若齢性の白内障は遺伝的な要因によるもので、多くは6ヶ月齢~2歳齢くらいに症状が現れ、ミニチュアシュナウザー、コッカー、ビーグルなど様々な犬種で知られています。
また、年齢に関係なく、糖尿病や中毒など、全身性の疾患が原因となって白内障を起こすケースもあります。
症状
外観としては、瞳孔の部分が白く濁って見えるようになり、それに伴い視覚が低下することで、歩行時のふらつきや、暗所で動かない、壁づたいに歩くなどの行動の異常が見られるようになります。
ただし、かなり視力が低下しても、嗅覚や聴覚などにより、住み慣れた環境では行動が制限されるようなことはそれほど多くはありません。
老齢性の白内障は進行の程度は様々で、混濁はあっても視力を失うことがない犬もたくさんいます。
若齢性の白内障では、そのほかの遺伝的な要因が関与する眼の疾患を併発していることもあることから、異常に気づいたら早目に受診されることをお勧めします。
治療
薬で水晶体の白い濁りを取り除くことはできませんが、進行を遅らせる事できます。
ただし、内科治療においては目覚しい効果が期待できるわけではありません。
低下してしまった視力を回復するためには、手術を行う必要があります。
水晶体内容を除去したあと、人口の眼内レンズを挿入し、これにより視力の回復が望めます。
白内障による視力の低下が見られはじめたら、家の中の障害物を取り除き、安全を心がけてあげましょう。