Case 10 虹彩萎縮を生じた犬

Case 10 虹彩萎縮を生じた犬

左眼が右眼に比べ、少し白っぽいのでないかとの主訴で来院。約半年前から気になっていたとのこと。

10-01

左眼……瞳孔は開いており、光に対する瞳孔サイズの変化なし。光に対するまぶしさは感じており、眼を閉じる。視覚は正常である。眼圧の上昇はない。また緑内障を示唆する症状なし。角膜ならびに水晶体の白濁はない。

10-02

右眼……異常所見認めず。

以上の所見から、虹彩に関与する疾患を疑うが、瞳孔異常が生じた場合、頭蓋内疾患の関与も否定できないため、確定診断および治療、予後の判定のために眼科専門病院を紹介。

診断名は虹彩萎縮。
加齢性の疾患であり、今後も進行していくものと予測される。残念ながら治療法は特に無いが、犬が感じる症状としては、眩しいであろうことで、視覚障害は生じない。