Case 11 アルカリ乾電池をかじった犬

Case 11 アルカリ乾電池をかじった犬

朝、アルカリ乾電池をかじって中身を舐めてしまい、夕方来院。口がただれてしまい、よだれをたらしているとの主訴。
肉眼所見では、左側の舌と口唇が赤くはれており、疼痛を伴っている。
嘔吐や下痢といった消化器症状や神経症状はなく、また血液検査でも異常なし。 抗生剤と消炎鎮痛剤を処方し、経過を追う。

11-01

初日

11-02

2日後

11-03

5日後

11-04

10日後

強アルカリによる化学火傷の場合は、見た目以上に奥へ広がっていることが多いが、表面の壊死、脱落は生じたものの、順調に回復した。
今回は乾電池をかじっただけだったが、これが電池をかじった状態で飲み込んでいた場合には、食道や胃、小腸に著しいダメージを与えていただろうことは想像に難くない。