Case 32 横隔膜ヘルニアを治療した猫

Case 32 横隔膜ヘルニアを治療した猫

以前から横隔膜ヘルニアと診断を受けていた猫。
急性の呼吸困難を起こし来院。

32-01

胸郭内の胃にガスが充満している(胃鼓張)。
救急にて、胃ガス穿刺を行い、状況はいったん安定する。

32-02

心陰影はハッキリせず、胸腔内に消化管ガスを認め、
典型的な横隔膜ヘルニアのレントゲンである。
急性の呼吸困難を呈したこともあり、
横隔膜ヘルニアの整復手術を実施した。

32-03

開腹時。腹腔内には、肝臓の一部、結腸、膀胱のみ。
その他の臓器は、全て胸郭内に移動している。

32-04

腹部から胸郭内をのぞいている。
本来なら横隔膜があり確認できないが、心臓が既に露出されている。
鉗子で支持している部分は、心臓と横隔膜をつないでいる靭帯である。

32-05

横隔膜と肝臓の癒着あり、注意深く分離した。
横隔膜は非常に脆弱であり、腹部の筋肉を用い横隔膜を閉鎖した。

32-06

手術後2ヶ月。一般状態は非常に良好である。
レントゲンでも再発なく、非常に良好な状態である。
手術前のレントゲンとくらべ、心臓もはっきり描出されている。