Case78 0歳9ヶ月 犬 シェルティ 雌 犬 下痢(誤食)

Case78 0歳9ヶ月 犬 シェルティ 雌 犬 下痢(誤食)

下痢の治療を行っても下痢が治らないとのことで来院。
ただし元気や食欲はかなりあるので、一見するとそこまで重症には見えない様子でした。
この子は誤食癖(おもちゃや布など、異物を食べてしまう癖)があるので、レントゲンを撮影してみました。

まずは、横からお腹を撮影した画像。

今回の症例
内臓の位置(※)

次に、下からお腹を撮影した画像。

今回の症例
内臓の位置(※)

※『イチからはじめる犬と猫のX線検査』より引用

レントゲン検査の結果、胃の中に白い影(矢印)がありました。
おそらく、『金属類の異物』だと思われます。
つまり今回の下痢は、『異物を誤食したこと』が原因である可能性が高いです。
仮にこれが電池であった場合、消化管に穴が空く可能性があり非常に危険な状態です。
そのため、当日に内視鏡を使って異物の摘出を試みました。
下の画像は、胃の中を観察した画像です。
やはり、胃の中に金属製の異物がありました。

この異物を、内視鏡を使って摘出し、無事に手術は終了しました。

誤食癖は、特に若いときに身についてしまうことが多いです。
しかし、一度ついてしまった誤食癖を矯正することはかなり困難です。
そのため、ワンちゃんネコちゃんが生活するスペースはこまめに整理し、きれいに保つようにしましょう。