滅菌法の種類

滅菌法の種類

滅菌法は複数あります。消毒法と同様に物理的に微生物を殺滅したり化学的に処理したり色々な方法があります。以下にわかりやすく分類しました。

  1. 加熱滅菌(高圧蒸気滅菌と乾熱滅菌があります。)
  2. エチレンオキサイドガス滅菌(酸化エチレンガス滅菌)
  3. 放射線滅菌
  4. ろ過滅菌
  5. 過酸化水素ガスプラズマ滅菌

加熱滅菌法

高圧蒸気滅菌

  • 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を用いて湿潤状態で実施します。
    標準的には121℃20分間と132℃ 20分の処理です。
    電気用とガス用がありますが当院では電気用を使用しております。
  • 効果が確実で残留毒性がありません。
  • 高温・高圧に安定な機材の滅菌に適しており、手術用器具、手術用ドレープなどリネン類に用いております。
  • 耐熱製品であれば第一選択の滅菌法です。

乾熱滅菌(当院では使用しておりません。)

  • 乾熱滅菌器(電気用、ガス用)を用い乾燥状態で180℃ 60分または200℃ 30分間処理します。
  • 熱に安定なガラス器具(試験管、ガラスピペットなど)や陶器類などの乾燥した機材の滅菌に使用されます。

加熱滅菌法の具体的方法(当院では121℃ 20分間と132℃ 20分間の高圧蒸気滅菌を実施しております。)

加熱滅菌条件
高圧蒸気滅菌(湿潤状態)115℃ 30分間
121℃ 20分間
126℃ 15分間
乾熱滅菌(乾燥状態)160℃ 4時間
180℃ 60分間
200℃ 30分間
火炎滅菌火炎中で20秒間(焼却)

※ プリオンに関しては従来の微生物に対する対応とは違い、「洗剤洗浄+高圧蒸気滅菌(134℃ 18分)」あるいは、「アルカリ洗剤ウォッシャーディスインフェクター(90-93℃)+高圧蒸気滅菌(134℃ 8-10分)」となっております。
なお、プリオン病感染予防ガイドライン(2008年)では「完全な感染性の消失は焼却のみで、次いで60〜80%蟻酸で2時間、100℃の3% SDS(sodium dodecyl sulfate)で3〜5分間、7Mの塩酸グアニジンで2時間、3Mのグアニジン・チオシアネートで2時間、50%のフェノールで2時間などが感染力を107低下させる」との記載です。

エチレンオキサイドガス滅菌(酸化エチレンガス滅菌)

  • エチレンオキサイドガスは無色の液体です。沸点が10.8℃と低く可燃性で引火しやすいですが、強い殺菌作用があります。
  • 滅菌条件は50-60℃ 4-6時間です。
  • 熱に弱いプラスチック製品、カテーテルチューブ類、ゴム製品、光学機器、内視鏡などの滅菌に適し、浸透性に優れています。
  • 滅菌後残留毒性があるためガスを取り除く必要があります。機械の中で自動的に実施されます。

放射線滅菌

  • 放射線照射に使用される線質によりよりガンマ線滅菌、電子線滅菌、エックス線滅菌があります。医療品の多くはガンマ線滅菌で、コバルト60が使用されています。
  • 浸透性に優れているため、包装したまま滅菌できます。
  • 対象となる医療品は注射筒や注射針、カテーテル、手術用手袋など幅広ものです。

ろ過滅菌

  • 空気や液体を対象とした滅菌法で、小さなポアサイズ(孔径)を持つフィルターあるいはガラスウールを通過させて滅菌にします。
  • クリーンルームなどに使用する空気の滅菌には高性能(HEPA)フィルターを使用します。
  • 対象が液体の場合限外ろ過(UF:Ultra Filtration膜)や逆浸透法(RO:Reverse Osmosis)が使用されます。

過酸化水素ガスプラズマ滅菌

  • 過酸化水素ガスを高真空下でプラズマ化させ、生じた高反応ラジカルによって滅菌します。
  • 残留毒性がなく、低温(45℃)・低湿度での使用が可能です。
  • 精密な医療器具から一般のプラスチック製品まで広範囲に滅菌可能ですが、紙、リネン、綿布、ガーゼ、セルロース系の材質を含むもの(過酸化水素の吸着が大きい)や液体、粉体(減圧や過酸化水素の拡散に悪影響を与える)に対しては使用できないため注意が必要です。